こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)です。
2016年11月24日頃から、freeeがCSVでなくExcelから仕訳データを取り込むことができるようになっていました。
しかしやり方を調べようとすると、
- CSVでの解説記事がほとんど
- freeeのヘルプページがいまひとつわかりにくい
ということがあり、自分でまとめてみることにしました。
例として「経費」にスポットを当て、実際の画像もいろいろ載せたので、操作に悩まれた方は参考にしてみてくださいね。
目次
freeeにExcelから経費を取り込む方法(最低限の項目&エラーなし編)
当記事の取り込みができる前提
今回取り込みをする方の大前提として、
- 消費税の免税事業者であること(消費税を納める必要がないこと)
- 経費をExcelで記録している・記録するつもりであること
というのが前提の条件となります。
消費税を納める義務のある方(多くは2年前の売上が1,000万円を超えている方)は、この次の『『消費税の課税事業者がfreeeのエクセルインポートを使う場合の処理まとめ』をご参照ください!
経費はExcelにメモしておくことがおすすめ
『クラウド会計でできることと、税理士業界に与える影響について』の記事で、現金で支払った場合の領収書などを入力する方法としてスキャナーを使う方法などもご紹介しましたが、2016年12月時点で最も安定的に処理をこなせるのはExcelに記録しておくことというのが私個人の見解です。
そんな「Excelで記録派」が簡単にfreeeにデータを移行することができるのがこの「エクセルインポート」という機能。
では見ていきましょう!
まず経費のExcelを用意する
ちなみにこのExcelから入力する方法、テンプレートは特にありません。
- 最低限必要な項目
- 自分が管理上入れておきたい項目
の2つを押さえておけば取り込むことができます。結構適当で大丈夫です。
どんなExcelにすればよいのか
今回最低限必要な項目として、
- 日付
- 金額
- 借方勘定科目(なんの費用なのか、の勘定科目。左側)
- 貸方勘定科目(事業主借など。右側。後述します)
- 摘要(支払先と内容)
の5つを先に示しておきます。
↓ これが完成形ですが、貸方金額と貸方勘定科目は最後にコピペで構いません。
↓ なので入力するときはこんな感じで大丈夫。
Excelに入力するときの手順
同じ画像もありますが、改めて画像を貼りつつ手順をご説明します。
■手順1 下の4つの項目を、こまめにExcelに入力
■手順2 ある程度まとまったら、貸方金額の列に、借方金額の数字をコピペ(「=」で引っ張ってきてもOK)
■手順3 貸方勘定科目の列に、「事業主借」などの勘定科目を。1つ入れてオートフィルやコピペすると楽です。
ここの勘定科目、私はなんとなく「未払金」が好きです。
もしくは全部「事業主貸」にしちゃってもまあいいんじゃないの派でもあります。
このあたりは厳密に決まっているわけではないですし、税理士の方によります。
迷うようなら「事業主借」が一番確実です。
■手順4 Excelはこれで完成!freeeに取り込むことができます
■注意点 冒頭でも言いましたようにCSVにする必要はありません。ただし取り込むシートを一番左に寄せておいてください。
freeeにExcelから経費を取り込む
それでは先ほど完成したExcelをfreeeに取り込みましょう。
↓ freeeを開いて、「取引」からエクセルインポートをクリックしましょう。
↓ そうするとこの画面に移りますので、「読み込むデータ形式」のところを「売上データ⇒仕訳データ」に変更します。
↓ こうですね(今回経費に関してまとめましたので、売上データも試したらまとめたいと思います)
↓ 作っておいたExcelをドラッグ&ドロップ!(もしくは灰色の部分をクリックしてファイル選択)
↓ すると2番が自動で出ますので、画面を確認しましょう。
確認する点は、
- 「全ての金額が税込み」になっているか
- 一番上の「無視」にチェックがついているか
- 「日付」などの欄が空白になっていないか
の3つは確認するようにしてください。
(重ねて言いますが、今回消費税の免税事業者の場合です。また、今回エラーなしバージョンなので、実際どんなエラーが出るかは『freeeのエクセルインポート機能でエラーが出たときの対処法まとめ』をクリック!)
↓ 特に問題なければ「設定する」をクリック。
↓ 次に3番が出てきますが、エラーがない場合それぞれのタブが(0)になります。0ならこのまま4番へ進みましょう。
↓ ここまででエラーなければ4番は問題ないはずですが、Excelと一致しているかを確認して「登録する」をクリック。
↓ 画面が移って「インポート中」の表示に……
↓ 少し待っているとインポートができました!「こちらのリンクから~」をクリックします。
↓ パッと見は全然変わらないのですが、下のほうに「登録された振替伝票」のボタンが出てきます。ここをクリック!
↓ すると振替伝票のページに移動し、無事にインポートできたことが確認できます。これで完了です!
(慣れてきたら振替伝票の確認はしなくても大丈夫かと)
取り込んだ振替伝票を修正・削除したい場合
なお、取り込んだ振替伝票を削除したい場合も解説しておきます。
↓ エクセルインポートを開いて「インポート履歴⇒削除」で取り込んだ振替伝票ごと削除することができます。
もちろん「登録された振替伝票」をクリックすれば修正できますが、修正箇所が多いときは少々面倒。
なのでもし間違えてしまったときは、
- 少しだけ修正したい場合 ⇒ 「登録された振替伝票」から修正(一括編集も使用可能)
- 修正箇所が多い場合 ⇒ 一度「削除」をし、Excelを修正して取り込み直す
のどちらかで修正されることをおすすめします。
Excelから経費を取り込む場合の注意点
注意点もご紹介しておきますね。
消費税の課税事業者なら税区分などの入力も必要
消費税を納める義務がある場合、税区分などの入力も必要です。
上記のような未入力の状態だとすべて「対象外」で取り込まれます。
自分が管理上入れておきたい項目がある場合
freeeを入力する際、
- 取引先
- 品目
- 部門
- メモタグ
など、入れておきたい項目がある場合はExcelに足しておかないといけません。
具体的どんな項目が取り込めるのか、ちょっと長いですが一覧にしておきます。
日付、伝票番号、決戦整理仕訳
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■ 借方(かりかた)。左側
借方勘定科目、借方科目コード、借方補助科目、借方補助科目コード、借方取引先、借方部門、借方品目、借方メモタグ、借方金額、借方内税/外税、借方税区分、借方税額、借方摘要
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■ 貸方(かしかた)。右側
貸方勘定科目、貸方科目コード、貸方補助科目、貸方補助科コード、貸方取引先、貸方部門、貸方品目、貸方メモタグ、貸方金額、貸方内税/外税、貸方税区分、貸方税額、貸方摘要
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■ 貸借(たいしゃく)。両側
貸借金額、貸借内税/外税、貸借税区分、貸借税額、貸借補助科目、貸借補助科コード、貸借取引先、貸借部門、貸借品目、貸借メモタグ、摘要
現金で処理しているなら「口座」でもOK
「事業主借」などではなく「現金」で処理している場合、口座からでも取り込みができます。
これはどちらでもやりやすいほうが構いません。
(余談)最初は別のExcelに入力しておいて、飛ばす設定でもいい
完全に余談ですが、私の場合は、
こんなようなExcelに入れて、計算式で飛ばす設定にしています(めちゃくちゃ簡単な計算式ですけれども)
ただそこから説明をはじめると余計に長くなるので、取り込むExcelに直接入力する場合として解説してみました。
そのあたりが苦にならない方は、別のExcelで管理しても大丈夫です。というかそのほうが入力はしやすいです。
(もし別のファイルにした場合、別のファイルから飛ばす計算式になっているとエラーが出たのでご注意を)
それと重複ですが、一番左のシートが取り込まれるようなので、取り込むシートを一番左に寄せることだけ忘れないでくださいね。
freeeにExcelから経費を取り込む方法まとめ
というわけで、
- freeeにExcelから経費を取り込む方法(最低限の項目&エラーなし編)
- Excelで最低限必要な項目
- freeeへの取り込み手順
- 取り込んだ振替伝票を修正・削除したい場合
- 取り込む際の注意点
についてまとめました。
「経費」が一番わかりやすく、ケースも多いかなと思い経費を例にしましたが、仕訳がわかる方でしたらやりかたは基本的に同じです。
この続きとして、どんなエラーが出るのか、そのエラーにどんな対処をしたらいいのか、を『freeeのエクセルインポート機能でエラーが出たときの対処法まとめ』で解説しましたのでぜひご参照ください!
■ 関連記事
⇒ 第一回 CSVはお役御免!?freeeに「Excel」から経費を取り込む方法まとめ
⇒ 第二回 freeeのエクセルインポート機能でエラーが出たときの対処法まとめ
⇒ 第三回 消費税の課税事業者がfreeeのエクセルインポートを使う場合の処理まとめ
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