こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)です。
先日、こちらの税理士の方のツイートを拝見しました。
ひとり税理士のHPを見ているとつらくなる。
無資格が担当したっていいじゃないか。
なぜdisる。
無資格だってちゃんとやっている。
むしろ資格がない分実力で顧問先から認められようと頑張っている。— JUN@所属税理士 (@jun4567jpn) 2019年5月16日
私もそうですが、ひとり税理士(ひとりでやっている税理士)は
「必ず税理士である自分が担当するため、資格を持たない人間が担当することはありません」
というような文言をホームページにのせている方が多いのではないかと思います。
(私も書いています)
それに対して「なぜdisる」とおっしゃられたのがこのツイートです。
ほか、リプライでも「他を下げる謳い文句」というご意見も目にしました。
※ 追記:この記事公開後、ともにご本人がリプライをくださり、意図とは違ったということでしたので記事の末尾に詳細追記しました。
実際にそうした文言を載せている張本人として、「うーんそういうわけじゃないんだけどな」という気持ちがあり、反論というほどでもないのですが、私なりの意見を簡単にまとめてみます。
(「ひとり税理士を代表して」というようなつもりはまったくありません)
まず、単純に「見ている方角の違い」なのではないか、と感じます。
私としては「ご依頼くださる方への訴求力があるか」という視点でこの文言を書いています。
なので、ほかの税理士事務所のこと、ましてや「もし無資格の方がこれを見たらどう思うか」というのは特に考えていません(それがお気に障るのであればごめんなさい)。
図にするほどのものじゃないのですが、こんな感じですね。
ただ お客さまになり得る会社のほうを見て、そこへ伝わるような言葉を選んでいるだけ、ということです。
事実として、経営者の中には「無資格の職員に担当された」ことを不満に思っている方が一定数いらっしゃる、というのが独立して3年近くが経つ私の実感です。
この不満についても、冒頭のJUNさんが、
本当の問題は職員の担当者がころころ変わることだ。
ひとり税理士ならそういうことはないからアピールになるだろう。— JUN@所属税理士 (@jun4567jpn) 2019年5月16日
と「本当の問題は職員の担当者がころころ変わること」とおっしゃってますが、私はそれもあるでしょうけど主因は
「お客さまの満足のいくサービスが提供できていない」
ことではないか、と思っています。
実際、そういう文言を書きつつも、私は「たとえ無資格者でも満足のいくサービスを提供できていたら不満は出ない」と思ってます。
それで、これも実際のところ、税理士業界には満足にコミュニケーションが取れない、よいサービスを提供できていない方が有資格者にも無資格者にもそれなりの数いる ように感じています。
ただし、そこからが有資格者と無資格者の違いがあって、お客さんがそのとき受ける印象が、
- 有資格者なら「先生業だからこんなもんか」と渋い顔をするぐらいで済むときがある
- が、無資格者だと「サービスが悪い上に資格もない!」と、「資格がない」ことがより強く印象に残ってしまう
から、上記のような不満をお持ちの方が結構いるのではないか、という仮説を持っています。
そういう意味では、
- 資格のない方にちゃんとした教育をしていない事務所
- 自らの努力を怠りちゃんとしたサービスを提供できていない個人(有資格者も無資格者も)
- 正当な理由なく、事務所の問題でころころ担当を変える事務所
については「業界の質を下げるな」とdisりたい気持ちは大いに持っています。
と、ここまで書くことで気づきましたが、そうするとたしかにdisる気持ちがゼロではありませんね。
私は「教育に力を入れていない事務所」と「向上心のない個人」に対しては、正直に言うとかなり憤りの気持ちを持っています。
「お前らのせいで『税理士はクソ』みたいに言う社長がいるんだよ」と思っています。
だから「そういうところとは違うし勘弁してほしいと思っている」という気持ちがそうした文言に混じっていない、とは言えません。
なのでそれを「他を下げる謳い文句」だと非難されるなら、まあそれはしかたないと思います。
そことは完全に問題が別なので、私には「資格を持っていない人が担当すること」そのものをdisる気持ちはまったくありません。
私だって無資格でお客さまを担当させていただいていたときがありました。
まだ資格のない方が、勉強に仕事に必死になってがんばっていることもわかっています。
ただ、自分のホームページはそうした気遣いを表現するための場所ではなく、お客さまになり得る方に向けて発信するための場所である、ということはわかってほしく思います。
そういう言葉を選んでいるのも、端的にお客さまに伝わりやすく、そうした不満を持ったことのある方の不安を軽減する効果があるのでは、と考えているためです(私は)。
私がなんとなく冒頭のツイートを素直に受け容れがたかったのは、JUNさんが「ちゃんとやっている無資格の方」のことしか想定しておらず、「ちゃんとしたサービスが提供されず、現実に不満を抱いている経営者の方」が想定に含まれていないように感じられたのも一因かもしれません(ツイートは短文しか書けないので、実際に含まれていないということではありません)
もしほかの、よりお客さまに伝わる言葉が思いつけば変えますが、上記のとおり私には無資格の方を無差別にdisる意図がまったくなく、また税理士事務所に向けて書いているものでもないため、それまでは現行のままにするつもりです。
もし、ほかのもので納得のいくご意見をいただけましたら、それはそれできちんと受け容れて、謝罪とともに変更いたします。
何かありましたら私のTwitterなりにご意見をいただけますと幸いです。
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<2019.5.18追記>
この記事公開後、JUNさんご本人がリプライをくださいました。
「税理士の資格を持っていない人間が担当することはない」
という程度の記載であれば、disっているとは感じないとのことです。
私が「ひとり税理士」という単語に過敏に反応してしまった面もあり、この点についてお詫びします。
実際にどのホームページだったのかを聞くのはためらわれ、具体的にどのような文言に反応されてのツイートだったのか詳細はわかりかねますが、たとえば「無資格の人が担当していると質が悪い!」ぐらいの悪意を感じるような書き方をしているのかお尋ねしたところ、「はっきりとは質が悪いとはありませんが暗にほのめかしているのがわかる書き方」であったとのことです。
また、「他を下げる謳い文句」の点についてもリプライをいただき、ひとり税理士がどうこうというわけではなく、そういう表現見るよね、というぐらいの軽い意味合いであったとのことで、こちらも過敏に反応してしまった点をお詫びいたします。
お二方申し訳ありません。
ご連絡くださってありがとうございます。
自分用ではありますが、あとで探すのが大変なので自分のツイートを残しておきます。
【ブログ更新】
ひとり税理士が「税理士の資格を持っていない人間が担当することはない」を謳うことの是非について下のリツイートに対して「無資格の方を無差別にdisる意図はありません」という私なりの意見をまとめました。https://t.co/LeBoVVBw4k
— 谷口孔陛(たにぐちこーへい) (@khtax16) 2019年5月16日