情報共有をするときは前提を明らかにしよう! 忘れがちビジネスマナー

ビジネスや仕事全般

 

こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)です。

 

明日はとうとう2016年分の確定申告の期限。

やはり確定申告時期ということで、先月今月といろいろなご相談をお受けしたのですが、そのなかで意外と多いと思った質問が、

「確定申告に必要な書類ってなんですか?」

というもの。

 

これ、いきなりこれだけ聞かれると結構困ってしまうんです。

なぜめがねの人は税理士のくせに困ったのでしょうか?

 

 

情報共有をするときは前提を明らかにしよう!

「確定申告に必要な書類ってなんですか?」

という質問をいきなりされるとなぜ困ってしまうのか。

 

それは、

その方がどんな内容で確定申告をするのかで必要な書類が変わってくるから

です。

 

 

たとえの話 Aさんとめがねの問答

たとえば、Aさんが、

(会社で年末調整してもらったけど、医療費とふるさと納税があるから確定申告をしよう!)

と考えていたとします。

 

Aさんはたまたま通りかかっためがねかけた税理士に、

「ねえねえ、確定申告したいんだけどなに用意したらいいの?」

と質問を投げかけます。

 

めがねの返答は、

「どんな内容で確定申告するご予定ですか?」

というもの。

 

Aさんは、

(どんな内容ってなんだよいいから必要書類教えろ。そしてあらゆるめがねを医療費控除として、いや税額控除を認めろ)

と内心憤ります。

 

(※)後半は私の願望です

 

 

確定申告に必要な書類いろいろ

別記事で書くつもりですが、日本の確定申告制度がわかりにくすぎる面もあり、その質問をしてしまうこと自体が悪いとはまったく思いません。

とはいえ、その方がたとえば、

 

 

■ 会社で年末調整してもらったけど、医療費とふるさと納税があるから確定申告したい

⇒ 給与所得の源泉徴収票、医療費(病院)の領収書、自治体の領収書(寄附証明書)、が必要

 

■ 会社員だけど副業をはじめた

⇒ 給与所得の源泉徴収票、青色申告決算書(白色なら収支内訳書)

 

■ 年の途中で退職などして、年末調整をしてもらえなかった。生命保険なども控除したい

⇒ 給与所得の源泉徴収票、生命保険料控除証明書、(払っていれば)国民年金保険料控除証明書、国民健康保険料の支払額集計

 

■ そのほか、年金をもらっている、不動産を貸している、マイホームを売った、株の損失を繰り越したい、住宅ローン控除を受けたい、雑損控除を受けたい……

 

 

などなどものすごくいろいろな状況が考えられ、ご本人としては

「この内容で確定申告!」

と思っていたとしても、どんな方にも当てはまる必要書類を答えることはできないというのが正直なところなのです。

 

 

情報共有をする際の「これぐらいわかるだろう」は危険

なので伝えるのであれば、

「医療費とふるさと納税があるんだけど、確定申告に必要な書類ってなに? 会社員で年末調整は済んでるよ」

などとお伝えいただければパッと必要書類をお答えすることができます。

 

この、

  • 医療費が一定額ある
  • ふるさと納税をしている
  • 会社員で年末調整ずみ(ほかに収入なし)

という前提部分を伝えるというのはとても大切なことです。

前提部分はどんなに自分の頭のなかにあっても、言葉に出さなければ誰にも伝わらないからです。

 

 

まあ確定申告だと上にも書いたように複雑すぎる(一般の方には縁が遠すぎる)といった問題があり、私は上のたとえをお客さまに求めるつもりはありませんが、この「前提を伝える」というのはビジネスマナーとして情報共有の際とても大切です。

  • 部下から上司へ報告をする
  • 上司から部下へ指示を出す

といった状況で、「これぐらいわかるだろう」と意識・無意識を問わずに前提をすっ飛ばして話をしてしまうのは大変危険。

 

その後のスムーズな仕事のためにも前提部分を含めて相手に伝えるようにしましょう。

 

 

おわりに

というわけで、ご相談をいただいた際に気づいたことをまとめてみました。

私もときどき「あ、前提をすっ飛ばししてしまった」と思うこともあり、改めて大事だよなと考え直した次第です。

スムーズなコミュニケーション、スムーズな仕事のために、お互いの理解をおろそかにしないようにしましょう!